衛星通信について
衛星通信とは
衛星通信とは、宇宙に打ち上げた人工衛星を介して、電話・データ・FAXなどの通信を行うことです。遠隔地など、陸上の通信網が存在しない場所でも通信サービスを利用することができます。利用する電波の周波数、打ち上げる衛星の種類、位置などによってさまざまな種類の通信サービスが存在し、さまざまな事業者が通信サービスを提供していますが、JSAT MOBILEでは英インマルサット社が運用する静止衛星を用いた通信サービスを提供しています。
インマルサットサービスとは
英インマルサット(Inmarsat)社が運用する、インマルサット静止衛星を利用した通信サービスです。地球から3万6000km離れた宇宙に打ち上げた3-4基の静止衛星で、世界中にサービスを提供しています。インマルサットは「移動しながら利用できる」ことを大きな特徴とし、当初は海上向けにのみサービスが提供され、かけがえのない通信手段として広く利用されてきました。その後、飛行機や陸上用にも提供されるようになりました。
現在も、世界中の船舶、航空、鉱山、石油採掘場、メディア、救急・警察、軍・防衛、政府機関などで幅広く利用されています。
JSAT MOBILEでは、インマルサットサービスのうち、第4世代衛星を利用したI4サービス、および第5世代衛星を利用したGlobal Xpress(グローバル・エクスプレス)サービスを提供しています。
I4(第4世代)サービス
インマルサット第4世代衛星は、2009年より全世界でサービスを開始しました。4基の衛星で、極地を除く世界中にサービスを提供しています。
この第4世代衛星では
陸上向け:「BGAN(ビーギャン/ビーガン:Broadband Global Area Network)」
海上向け:「Fleet Broadband(フリートブロードバンド)」
航空機向け:「Swift Broadband(スイフトブロードバンド)」
衛星携帯電話サービス「GSPS(Global Satellite Phone Service)」
を提供しています。
これらのサービスで利用できる通信の種類は、次の通りです。
国際電話サービス
人里遠く離れた場所では、携帯電話の電波は届きません。インマルサット衛星の電波は、全世界のほとんどの場所に届きます。海上、砂漠、山奥、僻地、そして災害地でも、空が見渡せ、衛星と通信ができる場所であれば、どこからでも電話をかけることができます。もちろん、一般加入電話や携帯電話からかかってきた電話を受けることもできます。
インターネット接続サービス
BGAN端末やFBB設備にパソコンを接続すれば、インマルサット衛星経由でADSLと同じようにインターネットやEメール、VPNなども利用できます。通信速度は上り・下りともに最大492kbps(ベストエフォート、機種による)と、携帯型の衛星通信としては圧倒的な速さを誇ります。さらに、32/64/128/256kbps/384kbps+から速度を選択して、帯域保証型の接続サービスも利用することができます。
ISDN・FAX
ISDN 64kbpsの通信もサポートしますので、従来のISDN通信用の装置(テレビ電話やターミナルアダプタなど)もそのまま利用できます。また、高品質音声(3.1kHz Audio)により、一般的なFAX機(G3規格)や、ISDNのFAX(G4規格)も利用できます。
ショートメッセージサービス(SMS)
海外では広く普及している「ショートメッセージサービス(SMS)」が利用できます。使用できる文字は英数字と一部の記号のみ、1通あたり160文字までという制限がありますが、電話番号で送り先を指定でき、短い内容のメールを送ることができます。GSMなどの規格と互換性のある携帯電話から番号を指定するだけで、メールのやりとりが可能です。
Global Xpressサービス
インマルサット第4世代衛星は、2015年より衛星3基体制(2017年に4基目を打ち上げ)で世界的にサービスを開始しました。また、日本国内では、2017年よりサービスの提供を開始しています。
Global Xpressサービスでは、Ka帯(29.5~30GHz)を用いたより高速なデータ通信をご提供します。